職人タイプと起業家タイプという言葉を聞いたことがありますか?
マイケル・E・ガーバーは著書
『はじめの一歩を踏み出そう――成功する人たちの起業術――』で、
スモールビジネスが失敗する要因を分析しました。
スモールビジネスは1年目で40パーセント、
5年間で80パーセントの会社が姿を消しています。
そして、
たとえ5年間生き残っても、
次の5年間で80パーセントが倒産しています。
つまり、10年間存在する企業は4パーセント以下です。
講座ビジネスはもっと悲惨かもしれません。
参入障壁が低く、投資金額も少なく、
自分の経験や学んだことを教えることで簡単に起業できます。
一方で、ほとんどの人は
「好きなことを仕事にして楽しく働きたいと思って講座を始めたのに、
毎日、仕事に追われて全く楽しくない」
「土日はほとんどセミナーをおこなっているので、
時間単位の給与を計算したら、アルバイトよりも安い」
と言いながら、くたくたになって講師業を辞めてしまいます。
寿司職人が、
寿司を握る技術があるからと店を始めてもうまくいきません。
同じように、
教えるコンテンツがあるからと、
講師になってもうまくいかないのは当然です。
講座はビジネスです。
職人技で教えるだけのものではありません。
成功している講師たちは、
起業家として、セミナービジネスに取り組んできました。
ここでガーバーが提唱している起業家と職人の違いを見てみましょう。
職人タイプの講師は
①自分が得意な、好きなコンテンツを磨き、
講師業に磨きをかけます。
②仕組みを構築して、事業として収益が上がることを考えるより、
来月の集客のために、ランチ会、勉強会に出て名刺を集めることに
時間を使います。
③クレームを恐れるため、
新しいコンテンツ、カリキュラムよりも
いまのカリキュラムを深堀して、
より良いカリキュラムを作ろうとします。
起業家タイプの講師は
①起業家として、事業が成功する方法をまず考え、
自分がやりたい仕事は何かを明確にし、役割分担を決め、会社の組織を作ります。
②理想の会社になるために何をすべきかを考え、
顧客が何を求めているかを真剣に探り、
ほかでは得られないベネフィットを得られる強烈な提案をし、
ゴールを示し、今、何をすべきかを決めます。
③リピート客の重要性に気づき、
会員化を図ったあとも、
つねに新しい情報、知識を取り入れ、
提供する仕組みを構築しています。