「先生」とは何でしょう?
「自動車を運転する技術」を学ぶ例を考えて見ましょう。
あなたは自動車免許を取ったときに習った「教官」を
今でも「先生」として、
尊敬したり、「恩師」と思いますか?
彼らは、
自動車運転と言うとても貴重なスキルを教えてくれました。
彼らはあなたにとって
「先生」と呼べる人でしょうか?
もし、
あなたがF1ドライバーから講習を受けたら?
10分だけの講習でも
「俺は、F1レーサーにアクセルワークを伝授された。」
と友人に自慢して、一生の宝になりませんか?
自動車教習所の先生から習うのと、
F1レーサーから習う差は何でしょう?
知名度、テクニックの差?
違います。
教習所の教官は「これができれば合格です。」と
卒業検定に合格する水準の運転技術を教えてくれました。
F1レーサーは
「運転技術には『これで良い』という限界はない。」
「運転は創造で、ドライバーは芸術家だ。」
「この道を甘く見たらだめだよ!」
という事を教えてくれます。
教習所の先生とF1レーサーは
自動車の運転技術という
同じことを教えてくれました。
先生は同じことを教えたのに、
生徒は違う学びを得たのです。
教習所の先生は
「君は他の人と同じ程度に達した」
という事を持って評価します。
F1レーサーは
「君は他の人とどう違うか?」
という事でしか評価しません。
私たちが「学ぶ」のは
有用な知識や技術を習得するだけではなく、
自分がこの世の中でただ一人、
かけがえのない存在であると言う
事実を確認するために「学ぶ」のです。
内田樹の「先生はえらい」。
すごい本です。
先生になりたい人は
是非読んで下さい。
中高校生用に書かれているので、
とても読みやすいけど
とても深い。